まったくノラ君は、毎日どこへお散歩に行くんだろう?
道でバッタリでくわして、「ノラ君!」って声をかけるとモノすごい勢いで逃げる!
なんで? 私だってば。
わかってる。 逃げる!
家族が声をかけても同じ。
前は、鰺の干物でつったりして捕まえたけど、もうその手は通用しない。
なんだか最近いい人がいるみたいなのよねぇ。
家で御飯も食べない時あるし… 夜帰ってくるの、すごく遅い時あるし…
知らない家で、どんな顔して、どんな甘え方をしてるのかしら?
私に見せない顔をあの人には見せているのかしら? 彼は 一体どこで何をしてるのかしら?
って、どこぞのクソつまらないドラマの筋書きみたい。けっ。
一度、忍び足で後をつけた事があるけど、とても私が通れない所を
すいすい行きやがるので、こっちは近所の目を気にしながら結局諦めるハメになる。
(飽きたって話もあるけどね)
もし事故にあったら…とか 喧嘩して病気になったら…とか
ああ、暖かくなったら蚤が…とか、気になってしまう。
………違うの。ほんとは羨ましいの。
だってノラ君は何があってもマイペースで、この同じ事の繰り返しの毎日に
ふわぁ〜あって、ひとつ大きな欠伸をして旅に出るのだもの。
人間から見たらとても狭い、小さな世界で、思いきり「生」を満喫してるのだもの。
ねぇノラ君。私はキミの目線でこの世界を見てみたい。
太陽が、空が、家の周りを取り囲む塀が、お隣の庭が、 季節の変わり目が、
風の匂いが、雨上がりの夕暮れ時が、月の明るい夜が。
その目にどんな風に映るのか見てみたい。
ソファでくるりと丸くなって寝てるノラ君を見ると
ノラ君の「のら」は、のらりくらりの「のら」だと思う。
舌をちょろっと出したまま、くーすかくーすか夢の中。
キミのシアワセなお散歩が、ずっと続きますように。
そして
良い夢に出会いますように。
posted by Azberry Park Ltd. at 2003-05-30 23:59
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